一杯飲みながら、感慨にふけられる 与作

北島三郎の代表曲である「与作」は、昭和53年(1978年)にリリースされました。当時小学生だったわたしは、テレビのベストテン番組で知り、学校では同級生などが時折口ずさんでいたことを記憶しています。いつの時代でも、子供は時代の空気に敏感なのかもしれませんが、大衆文化の一つに演歌がまだまだ健在であったことの証でしょう。

 

そんな「与作」は、島津亜矢によって、何度もカバーされていると思います。最近でも、CDアルバム「BS日本のうたVI」に収録され、歌唱力については、今更言うまでもないでしょう。けれども、今回、わたしが取り上げるのは、DVD「島津亜矢 リサイタル 2010 挑戦」で披露されているものです。すでにご存じの方もいらっしゃると思いますが、わたしにとっては、感慨深いものがあります

 

まず、このDVD自体、わたしには忘れられないものとなっています。初めて入手した島津亜矢のリサイタルDVDであり、購入した当時は、何度も視聴していました(笑)。その時はマンションで生活し、娘のような柴犬も今と同様健在でしたが、毎日毎日ひいこらひいこらしていました。そういう中、島津亜矢のリサイタルDVDを買いたいと思い続け、ようやく実現した一枚です。自然と思い入れが出て来てしまいます。

 

すでにこのサイトでも、同じDVDに収録されている「北の宿から」を取り上げていますが、今回の「与作」にも、似たような思いが反映されています。記事のタイトル通り、一杯飲みながらの視聴が実にお似合いです。しかも、この時の「与作」には、尺八の生演奏もあり、島津亜矢の張りがありながらも柔らかな声と非常にマッチしています。先日放送された「歌謡コンサート」での「人生一路」や「地上の星」とは全く違い、邪魔に感じることはありません。むしろ、島津亜矢の良さを引き出していると思います。

 

失礼なことを言えば、仮に舞台の上で島津亜矢がいたとしても、「あっ、島津亜矢だ」で終わりのような気がします。しかし、ひと度歌い出せば、「おお、島津亜矢だ!!」になると思います。要するに、歌うことで存在感が際立つ、ということです。これこそ、歌手という言葉にふさわしいと思います。おそらくこれが最大の持ち味なのでしょうが、そういう彼女の存在感を消してしまうような演出が、先の「歌謡コンサート」ではなかったかと、今回の「与作」と比較し、なおさら思っている次第です。

 

しかも、その時の「地上の星」は、調子が少しズレていたように感じました。追っかけを始めてから5年程しか経っていませんが、彼女にしては珍しいことで、もしかしたら、当の本人も、ああいう演出には慣れていなかったのかもしれません。けれども、そういう演出でもしっかり歌えるのが、「テレビ歌手」なのであれば、独唱する「ステージ歌手」として、なお一層、頑張って貰えれば、と勝手に思っています。もっとも「歌謡コンサート」は、主催が「地上波の公共放送」なので、島津亜矢ばかりが悪いとは思いませんが、話が大きくズレてしまいそうですので、ここらあたりで終わりにしておきます。(^o^)

 

 
 

ともあれ、DVD「島津亜矢 リサイタル 2010 挑戦」での「与作」は、見事であると思います。何度聞いても引き込まれ、脳裏に色々な光景が浮かんで来ます。とりわけ、このDVDを購入した数ヶ月後には、東日本大震災が発生し、個人的につながりのある地域が世界中から注目を集めてしまったため、なおさら、思いが深くなるのでしょう。

 

 

しかも、「与作」は、カラオケで歌っていたこともあり、実際、レパートリーの一曲でした。しかし、島津亜矢版を知ってしまった今では、他の曲と同様、もうカラオケでは選ばないと思います。もっとも、カラオケに行く機会もなく、今後も行けるかどうかも分からず、しばらくは引き続き、島津亜矢の歌声に聞き入っている方が、心が洗われると思います。(笑)

 

けれども、このサイトで何度も言及しているのでしつこいかもしれませんが、島津亜矢の歌声は、やはり、優しさでいっぱいだと思います。そうでありながらも、力強くもあり、張りもあり、天に昇るようでいながらも、血に足が付いている、という感じがします。おそらく「母性」に対する感覚に近いのでしょうが、これは彼女の歌声よりも、容姿に影響されているのかもしれません(笑)。しかし、たとえそうであっても、心地良く聞かせてくれ、そうであるからこそ、実力派の歌手であるとも思います。

 

なお、今回の記事を作成する上で、wikiを見て初めて知ったことですが、千昌夫も「与作」をシングルリリースしていたようです。ヒットしたのが北島三郎の方だったので、冒頭でも代表曲と書きましたが、実際は千昌夫の持ち歌の一つでもあるようです。わたしは見聞きしたことはないですが、時間があれば、もっと調べてみようと思っています。

 

 

長くなりました。いつもながら拙いレビューとなっていますが、何程かお役に立つようなことがあれば、幸いです。次回もまた、よろしくお願いします。

 

 



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