うっとりしながら聞いてしまう シクラメンのかほり

「シクラメンのかほり」と聞けば、日本レコード大賞を思い浮かべる人もいるかもしれません。布施明の代表曲であり、大衆文化華やかなりし頃の一曲です。リリース年が1975年であり、今から40年も前になります。リアルタイムで知っているのは、すでに一定の年代以上になるでしょう。わたしも、ぎりぎり知っている世代に入りますが、小学校に上がる前の頃です。おそらく島津亜矢も似たような状況では、と思いますが、これ以上、言わないでおきます。(笑)

 

そんな「シクラメンのかほり」ですが、今回レビューとして取り上げる島津亜矢版は、2003年10月4日に「BS日本のうた」で披露されたものです。実は、「皆様の公共放送」のサイトから曲目リストをお知らせしたかったのですが、「新・BS日本のうた」になった後、曲目リストも含め、全て削除してしまったようです。

 

わたしに限らず、歌手を応援している人であれば、こういうスタンダードを売りにしている番組で、自分の好きな歌手がどんな曲を歌っていたのかを知りたい時もあるでしょう。データとしての価値もあるでしょうが、そういう心配りもなく、番組名が変わったとはいえ、すべてデータを削除してしまうのは、さすが「皆様の公共放送」と思いました。悪口をいくら言っても切りがなく、気分も悪くなるので、この辺りで止めておきますが(笑)、念のため、削除されたサイトと参照させてもらったファンサイトのリンクを掲載しておきます。

 

 
 

さて、気分を改め(笑)、島津亜矢版「シクラメンのかほり」になりますが、正直なところ、初めて視聴したのは、YouTubeにおいてです。追っかけを始めたばかりの頃で、上手いなあ、と思いながら、いつか自分もファイルで持ちたい、と思いました。それが、チャンネル銀河の再放送で実現でき、非常にうれしかったです。もっともっと近年の番組を再放送して欲しいですが、提供元が提供元なので、思ったようにはいかないでしょう。またまた気分が悪くなりそうなので、この辺りで止めておきますが(笑)、欲しかった物が手に入るのは、いくつになってもうれしいものです。

 

自分のファイルにできたので、じっくり視聴することができました。感想としては、結局、記事タイトル通りになります。つまり、「うっとりしながら聞いてしまう」ということです。元々「シクラメンのかほり」がバラードともいえ、聞かせる曲でもあるでしょう。けれども、島津亜矢が歌うと、それがより強くなるように思います。これはなにより、彼女の柔和な声に惹き付けられるからだと思います。しかも、しっかりした高い声も出るため、ますます心地良くなるのでしょう。このサイトで何度もお話していますが、優しさと力強さが同居し、一見異なるような特徴ですが、島津亜矢の中では、見事にコラボレーションしていると思います。だからこそ、ついついじっくり聞いてみたくなるのでしょう。

 

また、持ち歌本人、あるいは、ファンには失礼ですが、島津亜矢の方が「硬さ」を感じず、自然に耳を傾けられるように思います。追っかけなので贔屓していると言われれば、それまでかもしれませんが、「シクラメンのかほり」は、島津亜矢の方が似合うようにも思います。もっとも、持ち歌本人よりも、曲の良さを引き出しているようなものが多々あるため、もしかしたら、一緒に舞台に立ちたくない人もいるかもしれません。しかし、布施明とは、スペシャルステージで共演していることは、わたしも知っています。(笑)
 

さらに、今回の島津亜矢版「シクラメンのかほり」では、オーボエの音が実に見事だと思います。悲しい曲でありながらも、静かな風になびくシクラメンを思い出すことができ、その場の雰囲気にも非常にマッチし、料理で言えば隠し味のようです。もっとも、耳に入ってくるので「隠し」ではないかもしれませんが、より効果を与えていることは間違いないのでは、と思います。「うっとりしながら聞いてしまう」ことも、これと関係していると思います。

 

しかし、一つだけガッカリしたことがあります。エンディングを向かえる直前に、観客からタイミングの悪い掛け声がしました。「シクラメンのかほり」は、これで終わりという終わり方をせず、続きがあるのかないのか分からないように奏でられながら、余韻を感じさせる曲でしょう。そのため、エンディングが非常に大事に思いますが、そういう余韻を感じたいところで、いきなり、中年女性らしき声で「亜矢ちゃ~ん」と叫ばれ、興ざめしました。実際、チャンネル銀河での再放送は、数年前のことで、今回取り上げるまで、ずいぶん時間が掛かっています。それはなにより、この掛け声が気に入らず、取り上げることを躊躇していました。初めて聞いた時、言葉は汚いですが、「うるせえな、クソババア」と思いました。

 

けれども、時は優しいのか、あるいは、環境が変わったからか、はたまた、ここで声がする、と知っているからか、今では、興ざめせずに見ることができます。わたしも人の子なので、都合のいい生き物なのでしょう(笑)。もっとも、こういう心境にならなければ、今でも取り上げなかったかもしれません。YouTubeの時には分からなかったことでしたが、追っかけを始めたばかりでもあったので、「過剰な期待感」がなかった分、気にならなかったのかもしれません。夢中になっても、熱狂しないようにするのが、大事ではないかとも思っています。(笑) しかし、最近では、タイミングの悪い掛け声を耳にしなくなりました。オープニングや間奏、あるいは、エンディングの後に「亜矢ちゃ~ん」などの声が聞こえます。穿った見方をすれば、現在では、公式応援団などがきちんと組織化されているのかもしれません。生意気ですが、2003年の頃と比べれば、「教育」が行き届いているのかもしれません。(笑)

 
 

そう言えば、「シクラメンのかほり」には、個人的な思い入れもあります。カラオケを覚え始めた20代初めの頃、知っている曲がなかったので、「シクラメンのかほり」をよく選曲していました。学生コンパなどでも歌っていましたが、酔いが回っても周囲の反応が悪く、自己陶酔していたことを覚えています(笑)。こんな曲をコンパで選んでいること自体、当時の時代感覚からかけ離れていたのでしょう。個人の集まりでも、「シクラメンのかほり」を選曲したことがありますが、さすがに島津亜矢版を知ってしまった今では、選曲しないかもしれません。もっとも、カラオケをする機会もないので、そういうこともないでしょうが、現在は自分が歌うより、上手い歌手に聞き惚れている方が好きになっています(笑)。

 

なお、島津亜矢版「シクラメンのかほり」は、CDアルバム「BS日本のうたVII」(Amazon.co.jp)に収録されています。2012年にリリースされ、本放送からずいぶん時間が経っています。けれども、CDであっても、島津亜矢の優しさや力強さなどを感じられ、機械音だからかダメという考えを、またまた改めなければ、とも思っています。また、上記のCDアルバムには、このサイトでも取り上げた「哀愁列車」と「心もよう」も収録されています。

 

長くなりました。今回のレビューも、お役に立つものがなかったかもしれませんが、最後までお読みいただけましたら、誠にうれしい限りです。次回もまた、よろしくお願いします。

 

 

 



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