あんた、に尽きる 富士

ファンの方であれば、すでにご存じのことでしょう。島津亜矢の持ち歌である「富士」は、2007年6月にシングルリリースされ、もしかしたら、何を今さら、とお思いになる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、わたしが最初に聞いたのは、シングルリリースから数年後に発売された全曲集においてです。70年代に幼い頃を過ごしたとはいえ、あまりにも演歌演歌した曲は苦手であり、島津亜矢の持ち歌の中にも、ちらほら見受けられます。しかし、「富士」に関しては、そういう感じを受けず、初めて聞いた時、これは素直に聞けるな、と思いました。それでも、若い時分と比べれば、年相応になったのかもしれません。(^o^)

 

けれども、島津亜矢が歌う「富士」の良さをより感じられたのは、リサイタルDVDを購入してからです。リリース年の12月に発売された「島津亜矢リサイタル2007 邂逅」に収録され、フルコーラスで視聴することができます。正直なことを言えば、「アザミ嬢のララバイ」が目的で購入し、「富士」が聞きたくて買ったのではありません。現に、「アザミ嬢のララバイ」については、すでにレビューをアップしていますので、あと回しであったことは間違いありません。(笑)

 

 

しかし、いつかレビューを書こうと思い立ったのは、チャンネル銀河の「BS日本のうた」の再放送を視聴してからです。2007年8月分のもので、フルコーラスではなかったですが、新曲コーナーで披露されていました。歌については、できればフルコーラスで見聞きするのが適切でしょう。そうは言っても、テレビには様々な理由で限界があるので、フルコーラスにしたくてもできないこともあるのかもしれません。けれども、この再放送も、昨年(2014年)の2月に放送され、やはり、皆様へで述べているように、いい加減な管理人であることに変わりはないようです。(笑)

 

 
 

ともあれ、時間が掛かったとはいえ、今回こうして「富士」を取り上げることができ、自己満足しています(笑)。「富士」には、島津亜矢の良さが全面的に表現されているようで、歌詞の内容と共に、富士山をシンボルに、高みへ登るような曲調が、実に調和を保っているように思います。この曲がヒットしたのか否かは分かりませんが、わたしが知っている島津亜矢の持ち歌の中でも、「似合っている」という点を基準にすれば、ベストの部類に入るでしょう。

 

曲もさることながら、歌詞もまた、島津亜矢にお似合いであり、陰に隠れたような妻でありながらも、実質は夫を動かす存在であり、おそらく家庭の中心でしょう。実際、日本では、こういう家庭が多く、伝統的な風習でもあると思います。母型社会と言われるように、実は女性の「表に出ない力」が非常に強い社会であり、おそらく一定の考えを持っている人であれば、反対したいことかもしれません。しかし、文化というものには色々な面があり、紋切り型で割り切れないこともあるでしょう。ただ単に壊すだけが、より多くの人にメリットをもたらす訳ではないと思います。

 

少々話がずれましたが、先述したように、陰に隠れたような妻でありながらも、全力で励まし、先へ進もうとする姿が、島津亜矢の歌声と見事にマッチしていると思います。しかも、手の平の上に富士を乗せ云々と歌詞にありますが、まさにこういう「強い妻」でなければ、発想できないことかもしれません。さらに、この記事のタイトルにありますが、「あんた」の一言で、この歌の全てを語っているようにも思います。何気ない一言ですが、「あんた」によって、一体どういう思いがあり、どういう過程を経ているのかを象徴しているようです。しかも、このサイトの別記事でも述べていますが、島津亜矢を見ると、かつての京塚昌子を連想してしまうので、それもまた、「あんた」に尽きると思った一因でもあるでしょう。仮に「あんた」が似合う女性であったら、わたしもバツイチにならなかったかもしれませんが、つまらない話になるので、これ以上、突っ込まないでおきます。(^o^)

 

 

また、しばしば、島津亜矢は「おっかさん」が似合うと述べましたが、「富士」においても、感じられる面があります。しかし、「おっかさん」のみならず、「おんな」も含められているように思い、妻が主人公であるので当たり前と言えば当たり前かもしれませんが、珍しいな、と思ってしまったことも確かです。けれども、島津亜矢の「おんな」を強く感じられたのは、「天城越え」を視聴した時です。これは、DVD「島津亜矢リサイタル2002 進化」に収録され、「ただのおんな」でなく、「怖いおんな」を感じられるようです。もっとも「天城越え」自体がそういう曲であり、しかも、「近松モノのおんな」が似合う島津亜矢でもあるので、当然と言えば、当然かもしれません。

 

いずれにせよ、島津亜矢の「富士」は、わたしにとって、彼女の持ち歌の中でベストの部類に入ります。演歌の場合、リリースから年月を経た方が、良さが伝わる傾向があるかもしれません。現に、一曲だけヒットし、それを糧に演歌歌手として長年活躍している人もいることでしょう。「富士」も、そんな演歌の曲として、多くの人に見直されるようになれば、わたしとしてもうれしい限りです。

 

相変わらずまとまりのない文章ですが、今回はこれまでになります。次回もまた、よろしくお願いします。

 

 



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