個人的には、現代の歌唱力NO.1 人形の家

弘田三枝子と聞いて、どれくらいの人が、「人形の家」を思い浮かべるでしょうか? おそらく団塊世代のアイドルとも言えるため、定年を迎えた多くの方々が、自分なりの思い出をお持ちかもしれません。弘田三枝子の「人形の家」がリリースされた年は、わたしがこの世に生を受けた前年であり、もちろん、オンタイムの記憶などありません。

 

けれども、母が懐メロ番組などを視聴していたため、「人形の家」が弘田三枝子の歌であることは、知っていました。そうは言っても、島津亜矢がカバーしなければ、一曲丸ごと聞くこともなかったでしょう。歌の内容は、女性の失恋を綴ったもので、一度家庭を崩壊させた身としては、少々気が重くなります。(^。^) 作詞家が、有名ななかにし礼だからと言う訳ではないですが、わたしみたいな者に、グサリと来る要素が、端的な言葉の中に、見事に表現されているということでしょう。

 

 

さて、島津亜矢の歌う「人形の家」についてですが、他の曲などで何度も何度もお話しているように、上手いとしか言いようがありません。もちろん、CDアルバム「島津亜矢の男歌・女歌」(2009年発売)に収録されているものも、クリアーな音で、非常に良質のものです。しかし、それに劣らず、生の声は、彼女の迫力がしっかりと伝わり、感動の度合いも異なるように思います。

 

わたしの母は、本年(2010年)6月に川口リリアで開催されたコンサートに行きましたが、母が言うには、あまりにも上手すぎて、涙が出そうだった、とのことです。わたしは、生声を聞いたことはありますが、生の姿をまだ見ていないので、うらやましいの一言ですが、DVD「島津亜矢リサイタル2007 邂逅」などの映像だけでも、その母の言葉を理解できます。デジタルも良いけれど、歌はアナログが一番かな、などと思ってもいます。

 

日本でも外国でも、CDなどで聞くと、それなりに上手いのに、コンサートになると、眉唾な歌手がいるかと思います。人間なので、当然調子の波があるでしょうが、できるだけ、そういう波を感じさせないのが、プロのように思います。しかし、島津亜矢の場合、いつ聞いても、その波を感じさせません。あるサイトのコメントで、今日は声の張りがない等とありましたが、それは、美空ひばりの曲で、独特の歌い方が必要なものです。

 

日頃の重たく伸びのある、島津亜矢の持ち味とは異なった感じが求められています。仮に調子が悪いように感じるのであれば、ちょっと視点を換えてみると、やはり、島津亜矢が、プロであり、歌で稼いでいる歌手だということが、納得できるかと思います。少々生意気ですが、これも、「焦がれて」いるゆえであると、ご承知いただければ、幸いです。(^。^)

 
 

ところで、「人形の家」のオリジナル歌手である弘田三枝子も、歌の上手さで定評があり、当時は、女性歌手の中で、史上最高の歌唱力と言われていたそうです。どこにでも、熱烈なファンはいるのでしょう。上手さなら弘田三枝子しかいない、と言っている人もいますが、そうなってしまうことも分かります。

 

けれども、もう結論はお分かりかと思いますが、わたしの中では、島津亜矢が、歌唱力では、現代のNo.1歌手のように思っています。本年(2010年)出会ったばかりで恥ずかしい限りですが、時代背景を考えれば、近年稀に見る、「ジャパニーズ・ソウル・シンガー」でしょう。

 

そう言えば、島津亜矢と弘田三枝子の「人形の家」で、1点明らかな違いがあります。それは、、「私はあなた」の「あなた」の発音です。島津亜矢は、セオリー通り、しっかりはっきり「あなた」と歌っています。しかし、弘田三枝子の「人形の家」では、「あなた」ではなく、「はなた」と聞こえます。おそらく、「私は」の「は」と「あなた」の「あ」をほとんど繋げて発音しているからだと思います。こういうリエゾンのような発音は、もしかしたら、英語の影響かなあ、と思っています。

 

弘田三枝子は、一時アメリカに住んだことがあるようで、すでにこの時から英語を身に着けていたのでしょう。現に、本格的なプロ歌手としてデビューする前に、進駐軍キャンプなどで歌っていたとのことです。英語の影響があって、当然であると言えます。また、弘田三枝子の「人形の家」には英語版もあり、YouTubeで聞いたことがあります。日本語版と遜色なく、歌唱力に定評がある通りのように思います。むしろ、オリジナルよりも、こちらの方が似合っているのでは?、とも思ってしまいましたが、昔からのファンの方なら、どう思うのでしょうか?

 

島津亜矢も、「I Will Always Love You」に代表されるように、洋楽にも手を広げています。折角なので、英語版「人形の家」も歌って欲しいと思います。わたしが聞いた限り、弘田三枝子の英語版は、ジャズ風のようです。アメリカ英語の発音で貫かれ、地下にある薄暗がりのバーなどが似合うように思いました。

 

島津亜矢なら、もう少し上に向かう感じになるかもしれませんが、オリジナルが、ジャズ風なら、やはり、島津亜矢は、ソウル風でしょう。もっとも、このサイトでも何度かお話していますが、わたしは、ファンク風を期待してしまいます。いずれにせよ、カバー曲を通し、古今の歌唱力No.1同士が、共演したようにも、思ってしまいます。できれば、弘田三枝子ファンにも、あるいは、島津亜矢ファンにも、両方の「人形の家」を聞いてもらいたいと思います。ファンなら、嫌がる? いや、ファンなら、むしろ、そうすべきと言ったら、この新参者、と怒られるでしょうか?

 

またまたつらない御託を並べて来ました。今回は、これまでになります。

 

 



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