いつ聞いても変わらぬ上手さ 海鳴りの詩

遅ればせながら、今回は、7月27日(2010年)に放送された、「NHK歌謡コンサート」からの雑感です。ご承知の方も多いかもしれませんが、島津亜矢が歌った曲は、持ち歌である「海鳴りの詩」です。実を言うと、この曲については、いずれ何かの折に書こうかな、とは思っていました。いい機会に巡り合い、よかったな、と実感しています。

 

結論から言えば、海に生きた父親を綴った歌であり、こういう曲は、島津亜矢に実に似合うなあ、と思います。仮に娘を持っている父親であるなら、どんな職業であろうと、共感する部分が多いのではないでしょうか? そうは言っても、あまりにも想いが強過ぎると、娘としては、迷惑になる場合もあるのが、現実のようで、そういうことをはっきりと言葉にし、態度に出していた女性に巡り会ったことはあります。(^。^) けれども、それもまた、親子の甘えと言えるのでしょう。

 

父と娘と言うと、わたしは、自然と小津安二郎を思い浮かべます。映画の内容は、海でもなく、山でもなく、撮影当時では、ブルジョアと見られていた家庭の出来事ですが、静かな中にも、「海鳴りの詩」に通じる父親の心境が、しっかりと表現されていると思います。わたしの好きな言葉に、秘すれば花なり、とありますが、まさに、小津映画の父と娘の表現は、これに匹敵すると思います。もしかしたら、現代にも、こういう父と娘の関係を築いている家庭があるのかもしれません。

 
 

いずれにせよ、7月27日「NHK歌謡コンサート」については、島津亜矢がたった1曲しか歌いませんでしたが、非常に堪能できました。さらに、つくづく、島津亜矢という歌手は、プロだなあ、と思いました。わたしが見ている限り、島津亜矢が音程を外していたり、あるいは、声量がいつもと違う、ということはありません。たとえば、5月25日(2010年)放送の「NHK歌謡コンサート」で披露したように、歌い方の調子を変えていることはあります。

 

 

けれども、それは少々味付けが違うというもので、歌い方そのものの質は、変わっていません。いつも安定した歌い方で、いつも出て来る言葉が、上手いです。常日頃は、コンサートばかりで、タイトな日程であるようです。6月(2010年)に川口市のコンサートを見に行った母によれば、昼と夜の2回公演になっていたそうです。それだけ体力があるとも言えるでしょうが、それだけ多忙な中でも、いつも安定した歌い方ができるのは、これぞプロとしかいいようがないでしょう。わたしのようなド素人が、飲んだ勢いでカラオケで歌うのとは、訳が違うことは、言うまでもありません。(^。^) おそらく、才能だけではなく、努力もまた、常日頃から心掛けているのでは、と思っています。

 

ただし、7月27日「NHK歌謡コンサート」においては、3番まである歌詞の2番目をカットしていました。You Tubeで見たことのある動画は、1年前のものですが、おそらくNHK「BS日本のうた」から録られたものです。今回と同じように、2番目の歌詞がカットされています。これは、全くわたしの憶測ですが、多分歌詞で使われている言葉に原因があるのかもしれません。2番目の歌詞には、「ヤモメ」とあり、ヤモメは、あまり好ましい言葉と見なされていないようです。

 

 

「ヤモメ」は、「寡婦」とも書かれ、未亡人、あるいは、夫もしくは妻のいない人を指す言葉です。これが、侮蔑語であるのかは、定かではありません。そうは言っても、世間とは違うニュアンスもあるので、テレビのような大衆向け放送では、致し方ない面があるのでしょう。こういう言葉の問題になると、表現の自由云々と出て来ますが、見る人が多ければ、それだけ色々な考えの人がいます。たとえ侮蔑語でなくとも、そう感じる人も中にはいるでしょう。そのため、制限が設けられるのは、仕方ないことだと思います。

 

むしろ、わたしは、表現者であるなら、そういう言葉を使わずに表現すれば、と思います。先にも言いましたが、表現こそ秘すれば花なり、と思っています。(^。^) わたしのような一小市民が生意気なことは言えないですが、これまでネットなどで書いた文章において、こういう侮蔑語のような言葉を使った記憶はありません。もし使うとすれば、今回のように、説明のようなものを入れるつもりです。大した内容のあるものを書いてはいませんが、ホームページやブログに記事を書くということは、一種の表現の一つでもあると思っています。けれども、「海鳴りの詩」には、「海鳴りの詩」の良さがあり、できれば、全部歌って欲しかった、とも思っています。ただし、単純に時間がないので、2番をカットしたのかもしれません。あくまで、上記は、わたしの見解の一つです。

 
 

そう言えば、7月27日「NHK歌謡コンサート」には、渡辺真知子も出演していました。「かもめが翔んだ日」を熱唱し、わたしは、こちらも堪能しました。渡辺真知子は、かつての世界歌謡祭からプロになった歌手と記憶しています。わたしが小学生の時で、もう四半世紀以上も前になります。「ザ・ベストテン」の全盛期でもあり、わたし自身のことで言えば、歌謡曲に興味を持ち始めた頃と一致します。同時期、中島みゆきの「わかれうた」もヒットし、70年代後半のニュー・ミュージックの台頭期とも言えるでしょう。

 

渡辺真知子は、「迷い道」から立て続けにヒットを飛ばしましたが、一時期、表舞台から姿を消しました。けれども、わたしが学生であった90年代初めに、懐かしの歌番組などに登場し、その後、再び表舞台に出て来たように思います。島津亜矢と同様、時が進むにつれ、年季が入っているようで、すでにベテラン歌手の域に達しているでしょう。7月27日「NHK歌謡コンサート」での「かもめが翔んだ日」には、若い頃にはなかった渋さが出て来たように思います。しかし、わたしの中から、懐かしいという感じが、抜け切ることはないようです。余談ですが、島津亜矢が、渡辺真知子の曲を歌っても、非常に似合うと思います。わたしの知っている中では、歌っている記憶はありませんが、いずれ聞いてみたい、と思っています。島津亜矢の「迷い道」や「唇よ、熱く君を語れ」などを聞いたら、ますます焦がれるかもしれませんが、もちろん、「かもめが翔んだ日」もです。

 

今回も、だらだらと、まとまりのない話になりました。意味のある内容ではないですが、ここまでお読みいただけましたら、作成者として、誠にうれしい限りです。次回もまた、よろしくお願いします。

 

 



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